2014ブラジルワールドカップ。日本代表は残念ながらグループCで1分け2敗の勝ち点1でグループ4位に終わり、決勝トーナメントには進めなかった。多くの人達が様々な批評、振り返りを行っているのだが、私も素人なりに振り返って見ようと思う。ちなみにこれまでのワールドカップ関連の記事はこちらから→「ブラジルワールドカップアジア最終予選スタート」、「W杯出場決定」、「2014ブラジルワールドカップ組み合わせが決定」、「ブラジルワールドカップ出場選手発表」、「ブラジルワールドカップの予想でもしようかな」
初戦から簡単に振り返って見たい。
日本1-2コートジボワール
・立ち上がりからもっとプレスをかけていくのでは?と思っていたのだが、日本は非常に慎重に立ち上がった印象があった。これは直前の親善試合で失点を重ねてしまったことが多少影響したのだろうか?
それでも日本は前半16分に左サイドのスローインから最後は本田がワントラップで相手を交わし、左足で豪快にシュートを決めて先制することに成功する。結果的には最高の立ち上がりとなった。その直後にもチャンスを作り出したのだが得点には繋がらず、徐々にコートジボワールにペースを握られてしまう。
前半は1-0で折り返すものの後半もコートジボワールペースで試合が進み、ドログバを投入した直後の64分、66分に右サイドのクロスを合され立て続けに失点し、逆転を許してしまう。その後も反撃の糸口が掴めず、大きな見せ場もないままそのまま1-2で敗戦となってしまった。
初戦が最も大事だというのは皆が指摘していたことなのだが、ここまでコートジボワールペースで試合が進むとは思ってもいなかった。コートジボワールにいいようにパスを回されてしまった。それにしてもこの試合の日本選手の動きは鈍く感じた。できるだけ自分たちがボールをキープした中でゲームを進めたかったと思うのだが、それが出来なかった。後半に関しては、本当に決定的なチャンスと言えるような場面は皆無に等しかったように感じた。
個人的にはチームのピークをワールドカップに持ってこれなかったことが響いているのかな?という印象を持った。
日本0-0ギリシャ
・ザッケローニ監督は中心選手である香川を先発から外してきた。思い切った選手起用だったと思う。試合は初戦のコートジボワール戦に比べればボールを保有できていたが、ギリシャの守備陣を崩すことは出来なかった。前半にカツラニスが退場となり数的優位な中での闘いになったのだが、それでもゴールは生まれなかった。正直後半の25分以降はギリシャの選手の足が止まり、完全に日本ペースとなったが、仕留めることが出来なかった。これがギリシャの戦い方なのだろう。最終的にはギリシャの思惑通りの結果になってしまったような気がする。
1人少なくなったギリシャを崩せなかった。「1人いなくなったことで逆に戦い辛くなった。」という話も聞いたがそれは言い訳になってしまうだろう。この試合に関してはギリシャの老獪な戦い方に拍手を送りたいと感じた。やはり強豪ひしめくヨーロッパでそれなりに結果を残してきているチームだけのことはあるなと感じた。
日本1-4コロンビア
・この日の日本は前半から積極的に仕掛けていた。個人的な印象としてはシュートへの意識が高くなっていると感じた。しかしそれは今まで選手が口に出してきた「自分達のサッカー」というものだったかというと首を捻らざるを得ない。日本が目指してきてサッカーはパスを繋ぎながらボールを保持し、相手を崩して確実に仕留めるサッカーだったのではないだろうか?安易にミドルシュートを放つような試合はここ数年ほとんどなかったように記憶している。「積極的」という言葉を使えば聞こえは良いが、普段のサッカーとは違うように映ったのもまた事実である。
それでも前半終了間際の岡崎のヘディングでのゴールは非常に難易度の高いゴールだったように感じる。俗に言うワールドクラスのゴールだったと思う。一瞬日本国民に夢を見させてくれた。
しかし実力差は歴然としていた。後半に投入されたハメス・ロドリゲスは噂に違わぬ素晴らしい選手だった。パス、ドリブル、シュートどれをとっても一級品である。世界を代表する選手に成長して行くのではないだろうか?バルデラマの後継者と言われているようだが、ドリブルやシュートセンスはバルデラマとは比べ物にならないのではないだろうか?それほどまでに高いサッカーセンスを感じさせる選手である。
この選手投入後は日本の守備陣はズタズタに切り裂かれてしまった。
総評
・期待していただけに残念な結果となってしまった。皆さんが言われているように06年のドイツワールドカップに酷似した結果となってしまった。06年は「ゴールデンエイジ」と呼ばれた世代が迎える集大成の大会だったし、今回のワールドカップも前回大会でベスト16に進んだメンバーの中で若手が成長し、自信を持って臨んだいわば集大成の大会だったはずだ。
しかし結果は1勝も上げることは出来なかった。
アジア最終予選が始まった直後は、チームのバランスも良く素晴らしい攻撃を見せてくれていた。ワールドカップ出場が決定した時も私は期待に胸を膨らませた記事を書いている。しかしワールドカップイヤーにコンディショニングを合わせられなかった選手があまりにも多過ぎた。本田、香川はビッグクラブで出場機会に恵まれず、試合勘というものを失ってしまったと感じたし、長谷部、内田、吉田は怪我に苦しんだ。遠藤は年齢的な衰えは隠しきれず、今野も決して好調ではなかったはずだ。それでも彼らの代わりになるような選手を招集することは出来なかった。このことにより個人的な期待値は2年前に比べて下がっていたのもまた事実である。グループリーグ突破予想で日本を外したのもワールドカップにピークを持ってこれた選手があまりに少ないと感じたからである。
それでもザッケローニ監督が目指したサッカーは間違っていなかったと感じている。本当に2年前くらいまではこのチームは世界で戦えると強く感じていたし、攻撃陣の連動は面白かった。遠藤を中心にパスを回し、本田にボールを収め、そこから様々な選択肢がある中で攻撃を組み立てていく姿は今までの日本には見られないものだったと思う。それだけにこのワールドカップでの惨敗が悔やまれる。代表チームというものはこのワールドカップのためにチームを作り上げると言っても過言ではない。そのワールドカップで結果を残せなかったということは言い訳の出来ない事実である。それでも日本サッカーは成長を遂げていると思う。出来れば次の監督にもザッケローニ監督がやろうとしたサッカーを継続していってもらいたいというのが私の考えである。
もう一つ、今大会の日本代表は自分たちの言葉に振り回されていたように感じる。本田というカリスマ性を持ったプレーヤーを中心に高い志の中で戦ってきたチームだったのだが、初戦のコートジボワール戦で完全に力負けをしてしまったことで少なからず動揺があったのではないだろうか?「自分達のサッカーはこんなものじゃない。」と思いつつも最後まで歯車が噛み合わなかった。自分たちが責任を持って発してきた言葉を裏切りたくない。という気持ちが強かったのではないだろうか?責任感の強い選手が多かったのもこのチームの特徴だったのではないだろうか?そういった意味では若くして覚悟と責任を持って戦おうとしている若者の姿は決して格好悪いものではなかったと思う。結果は出なかったが、好きなチームであることに変わりはない。
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