ヤクルト3-4x巨人(延長12回)
先発に配置転換されてからの石山を初めて見たが非常に良かった。ここ2試合の登板に関しては、ダイジェストを見ただけだったのだが、個人的にはリリーフで力一杯投げ込む姿の方が石山には合っているのでは?と考えていたのだが、今日の投球を見て見直した方が良いと感じた。それほどまでにバランスの良い投球を見せてくれた。
ダイジェスト版で見る石山は少し迫力不足に映ったのだが、実際にはそんなことはなかったようだ。(ここら辺はこれまでの先発石山をしっかり見てきた読者の皆さんにも聞いてみたいのだが…)リリーフ時にはそんなにイメージなかったスライダーとカーブも効果的に使い、巨人打線を簡単に抑え込んで行った。おそらくこの姿がプロ入り前の本来の石山の姿なのだろう。この姿を見てヤクルトスカウト陣は石山を外れ1位で指名したのだろう。
ストレートの球質も降板するまで衰えることがなかった。素晴らしい投球だったと思う。それだけに勝ちを付けて上げたかった。8回に崩れてしまったのだが、ここも本来であればもう少し守備陣が石山を助けてあげたかったところだろう。1アウト後死球と四球で1,2塁のピンチを招いた後の橋本の打球はレフトの飯原がしっかり捕球してほしかったし、その後の長野の犠牲フライにしても生還を許してしまったのは仕方なかったとしても、その後で中村が落球し、ランナーを2,3塁に進めてしまったのは痛かった。もう少し守れるチームであればおそらく今日のゲームは勝てていたのではないだろうか?
それでも今日は先発石山の好投を見ることが出来て良かった。
ゲーム展開のことで言うと8回の2アウト2,3塁で石山を諦め江村を投入したのだが、阿部を歩かせてしまい、2アウト満塁とピンチを広げてしまった。ここでヤクルトベンチにはおそらく2つの選択肢があったはずだ。①は、江村を続投させ江村VSロペスで勝負する選択肢。②はカーペンターを投入しカーペンターVS高橋由で勝負する選択肢。
皆さんだったらどちらを選ぶだろうか?私は江村のボールのキレに賭けて、江村続投でも面白かったかな?と感じている。(結果がどうなったかは分からないが…)
カーペンターは以前よりも安定感が出てきており、場面的にもここで投入するのがセオリーだとは思うが、コントロールに不安があるカーペンターを満塁の場面で投入するのは怖さがあるのも事実だろう。しかも打者は以前に同じような場面で打たれているベテラン高橋由である。この場面でカーペンターは少し厳しかったかもしれない。
それでもここでの同点タイムリーに関しては、高橋由を誉めるべきなのだろう。(江村続投でもカーペンター起用でも結果は似たようなものだったのかもしれない。)
その後リリーフ陣が粘って何とか延長12回まで持ち込んだのだが、この継投の順番も個人的には「?」が付く。今日は東京ドームでのゲームであり先行なのだから10回からバーネット投入でも良かったと思う。(9回からでも良かったと感じるくらいである。)ここら辺はチーム方針だと思うので色々言っても仕方ないのだが、同じような展開になった場合、バーネットは12回限定での登板を考えているのだろうか?だとするとあまりに消極的な采配に感じるのだが…
9回にカーペンターを続投したこと、11回に先頭バッターが左打者の高橋由でありながら秋吉を持ってきたことなど少し納得のいかない部分が多かった。(まあしっかり抑えてくれたので問題ないのかもしれないが…)
12回のサヨナラの場面に関しては、2塁ランナー鈴木の足、走塁技術の高さに脱帽するしかない。2アウト2塁、バッター橋本の場面で橋本の当たりはライト前に転がった。しかしライト雄平は極端な前進守備を敷いており、並みのランナーであればホームを狙える打球ではなかった。それでも鈴木はホームへ突入した。映像を見るとライトの雄平にも少し油断のようなものがあったように感じたが、それでもあの状況から生還してしまうスピード、スライディングテクニックは驚異的である。敵ながら非常に良い物を見せてもらった。雄平は良い勉強をさせてもらったのではないだろうか?
負けてしまったのだが、今日のゲームは短所とともに長所も(ヤクルトの魅力とでも言えばよいだろうか?)見れたゲームだった。上記の石山のピッチングも素晴らしかったのだが、打線も雄平、山田の豪快な一発を見ることが出来た。
雄平のホームランに関しては、日本人離れしていた。あれほど振れる日本人バッターはほとんどいないのではないだろうか?一見穴が多そうに見えるし、一回フォームを崩してしまうと長いスランプに陥ってしまいそうな雰囲気も感じるのだが、ここまで打率3割をキープし、ホームランも15本を数えている。正直開幕前の外野手争いの中でも私の中では雄平の期待値はそんなに高くはなかった。しかし今やチームに欠かせない存在となっている。守備面ではやはりまだまだ勉強してもらわなければならないのだが、あれだけ豪快なスイングをしながら簡単にはアウトにならないバッティングには底知れない打撃センスを感じる。これから実戦経験を積む中でどんな選手に成長を遂げていくのだろうか?まだまだ若手である!
そして昨日に続いてホームランを放った山田のバッティングも素晴らしかった。今日は1安打のみだったが、このまま急激にスランプに陥ることはないのではないだろうか?昨日も書いたのだが、しっかりボールを見ることが出来ている。相手からしたら嫌な打者だろう。今後の成長が非常に楽しみである。
今日は長所も短所も出た今年のヤクルトを象徴するようなゲームだったと思う。良くも悪くもこれからのチームである。負けたが面白いゲームだったと思う。今シーズンはこういうゲームを楽しまなければならない。
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コメント
石山投手については前回の中日戦で雨の中での登板を見ましたが、抑えとは違ってコントロール重視とカーブを使って緩急をつけて投球していました。
結果的に森野とルナにホームランを打たれ負けましたが(森野に対しては絶好調の状態だったので厳しいコースを上手く打たれた感じで、ルナはビデオ判定にもなった当たりでポールの上だったので正直ファールっぽい)球威や変化球のコントールも今回の巨人戦と変わらない内容だと思いましたが両試合とも立ち上がりが課題だと感じます。
また初回ヒットで出た大島を素早い牽制で刺したのは先発の方が落ち着いてる感じだったので十分やっていける投手だと認識しました。
(解説の金村も今の状態ならスタミナの心配はあるが先発の方が向いているとの見解)
あと江村とカーペンターの選択は今のチーム状態を考えたらカーペンターが無失点を続けているので勝に近づくには間違ってなかった思いますが、その前に回の頭に石山が死球を出した時点で交代すべきだと思いました。(負けすぎて監督の勝負勘がなくなっている印象)
> Kさんへ
石山の先発起用、中々良さそうですね。リリーフと先発とで完全にタイプが変わるので面白い投手ですね。気迫を前面に押し出して力一杯投げ込む姿が合っているかと思っていましたが、先発での投手としてのバランスが良さそうな投球も良いですね。
石山が亀井に死球を出したところでカーペンター起用ですね。この方がカーペンターに本来の実力を出してもらえたかもしれませんね。しかしあの場面で石山を下ろすのはかなり勇気がいりますね。失敗すれば監督への批判も大きいでしょうね。