小川好投！何とか逃げ切る。

ヤクルト３－２広島

復帰第1戦となったDeNA戦では失点を重ねて負け投手になってしまった小川だが、観戦したファンの方から投球内容自体は悪くなかったというコメントを貰っていた。その言葉通り今日は小川らしい投球を披露し、チームを勝利へ導いた。先発投手陣に一本の柱が立った。

小川ー中村のバッテリーが帰ってきた。今日の小川は、7回を被安打６与四死球１の無失点という数字が残った。そして驚くことに三振も９つ奪ってみせた。前回の登板ではフォーク、チェンジアップの精度がイマイチだったのかな？というようなことも書いたのだが、今日はしっかり低めに集めることが出来たようだ。そして何より勝負球にストレートを使って空振り三振を奪っていく様は圧巻の一言である。特に3回の2アウト満塁の大ピンチでエルドレットをインコース高めのストレートで空振りの三振に仕留めた場面はヤクルトファンからすると鳥肌ものだったのではないだろうか？改めて小川の勝負強さを感じさせる場面となった。またキャッチャーの中村も第1打席の結果も頭に入れながらのナイスリードだったのではないだろうか？
それにしても復帰第2戦でこれだけストレートを軸に押していけるところは素晴らしい。今日はおそらくストレートが走っていたのだと思うのだが、小川の凄さは今日ほどストレートが走っていなくても試合を組み立てられるところにある。引き出しの多さと安定感はNPBの中でもトップクラスだろう。7回106球という球数も理想的だったと思う。

これで8回カーペンター、9回バーネットで逃げ切れれば最高の形だったのだが、そうはいかなかった。これで逆転負けでも喫したものならいきなり首脳陣の後半戦の青写真が崩れてしまう所だった。
8回を任されたカーペンターはいきなり菊池に2ベースを浴びると、1アウト後エルドレットに特大の2ランホームランを浴びて、点差を1点に縮められてしまう。四死球で崩れたという訳ではないし、菊池の2ベースも雄平に何とかキャッチしてもらいたかった打球でもあるので、強く責めるわけにはいかないのだが、それにしても少し元気がなかったかな？という印象も残った。ストレートの球速自体も普段のカーペンターよりも出ておらず、そのストレートを菊池、エルドレットに捉えられてしまった。本来であれば2点を失っても8回を投げ切るのが、カーペンターの仕事だと思うのだが、エルドレットに一発を浴びた時点で降板となってしまった。
8回カーペンター、9回バーネットの形は崩したくないだけに後半戦初戦から非常に厳しいゲームになったと言うことも出来るだろう。
しかしその後は8回を久古、9回をバーネットで締めて、後半戦初戦を勝利で飾ることに成功した。

復帰した小川をこれからは中5日で回していくなどという報道もあるが、本当に中5日で回していくのだろうか？後ろがしっかりしていれば今日のように7回で降板し、次回の登板に備えることもできるのだが、今日のカーペンターのピッチングを見ていると、次回同じような状況になった時に今日のようにスパッと小川を交代させることが出来るだろうか？続投させて120球、130球と言う球数を投げながら、中5日で回していくようなら流石の小川も厳しいのではないだろうか？投手陣が中々揃わない中でエースの小川を中5日で回したくなる気持ちは十二分に理解出来るが、ヤクルトスワローズというチーム全体が怪我で苦しんでいることを忘れてはならない。中5日で回すのなら今日のように100球を目途に交代するべきだと思うし、それが出来ないのならまだ中6日で回していった方が良いように感じる。

打線は野村の前に苦しんだが、2回に相手のミスもあって一挙に3点を奪ったのが大きかった。それにしても小川VS野村の対決は何回目ですかね？この玄人好みしそうな対決はいつも面白いゲームになっているような印象がある。
今日は打線が野村、フィリップスの前に4安打に抑え込まれてしまったのだが、そんな中でも2ベースを2本放った山田のバッティングは素晴らしかった。１，２打席連続で野村から2ベースを放ったのだが、2本とも野村が狙い通りに投げたボールを捉えたように感じた。2打席目のタイムリーについては、打たれた広島バッテリーは勝負したことを悔やんでいるのではないだろうか？それほどまでに山田の状態が素晴らしい。2本共にあのコースの変化球を左中間深くに運べるバッティング技術に舌を巻いている方々も多いのではないだろうか？リストの強さも山田の武器の一つなのですね。
その他では6番ショートでスタメン起用された森岡が見事な先制タイムリー2ベースを放ってみせた。川島がソフトバンクに移籍となったということはある意味では「今シーズンのショートは森岡に任せた！」というメッセージでもあると思う。守備に課題があるのはもう分かりきっている。それでも川島を放出したのだから、森岡にはその意味をしっかりと感じてプレーしてほしいと思う。宮本慎也氏の言葉ではないが、「取れるアウトをしっかり取れる遊撃手になってもらいたい。」

今日は4安打と打線が沈黙してしまったが、バレンティンが試合に出られる状況なら畠山が戻ってくるまでは今日のオーダーを基本にしてもらいたい。首脳陣も覚悟を決めてショートは相手先発がサウスポーでも森岡で固定してもらいたい。（センター、ファーストは上田と比屋根、岩村と荒木の併用を検討しても良いと思うが…）個人的には今日のオーダーは気に入っている。

にほんブログ村