ヤクルト4-5DeNA
移籍後初登板となった新垣はある意味評判通りのピッチングとなってしまった。打線は満塁の絶好機を逃してしまい、後一歩及ばなかった。攻撃陣自体は良く振れているので、こういうゲームは投手陣の出来がカギを握ってくる。
今日も試合を全く見れていないので試合自体は簡単に振り返り、新垣と山中の事を中心に書きたいと思う。以前の記事はこちらから→「ヤクルト川島、日高⇔ソフトバンク新垣、山中」
先発の新垣は初回からコントロールが安定せず、苦しんだ。これだけ荒れていると捕手の中村も非常に苦労したのではないだろうか?(中村は打撃でも3三振と精彩を欠いてしまった。)結局4回を被安打5与四死球3の4失点という数字が残り負け投手となってしまった。
私は一球速報を追っているだけなので分からない部分もあるのだが、初回、2回はストライクを取ることに非常に苦労していた印象がある。いわゆる「松坂世代」のトップランナーの一人なのだが、この歳になっても自分のボールを制御できない所を見ると、本当に戦力になるのか不安になってしまう。それでもトレード期限ぎりぎりで獲得したのはおそらくヤクルト側の強い意向があってのことだと思う。と言うことはヤクルト側が新垣、山中を戦力になる。と考えて獲得したはずである。しかし今の所新垣も山中も戦力になっているとは言い難い。ここからは首脳陣の腕の見せ所である。獲得したものの結果が伴ってこない2人をどのように開花させるのだろうか?
新垣に関してはボール自体はそこまで老け込んでいないことが分かったのは収穫である。ストレートのスピードは全盛期に比べれば多少落ちたかもしれないが、変化球のキレ自体は抜群である。空振りが獲れるスライダー、カーブ、フォークは確かに魅力的である。この投手が高校生だったらおそらくドラフト1位候補だろう。しかし新垣は34歳である。この歳から安定感を兼ね備えた投球が出来るようになる可能性はあるのだろうか?高津コーチ、伊藤智コーチ、2軍の山部コーチ、石井弘コーチも含めて何とか新垣を戦力になるように育ててもらいたい。(34歳の選手に育てるという表現は適切ではないか?)
よくポテンシャルの高い若手選手の事を表現するのに「ロマンの塊」などと言う言葉を使うが、この新垣と言う投手は高校時代から変わらず「ロマンの塊」で居続けている。誉められたことではないが、怪我をしてもこの歳になっても大きなモデルチェンジもせずに自分のスタイルを貫きとしているのは、それはそれで素敵なことだと思う。
トレードの際にホークスファンの方からコメントを頂いたのだが、本人が先発に拘っているとのコメントだった。ここら辺に新垣の不器用さ、もしくはメンタルの弱さが現れているような気がする。もうなりふり構っていられない状況である。コーチ陣ともしっかり対話を重ねて自分を輝かせてほしい。
波乱の野球人生を送っている投手である。ホークス入団の経緯からもホークスを放出されたということは一回野球人生が終わったようなものである。死んだつもりで拾ってもらったヤクルトスワローズのために働いてもらいたい。(もちろんヤクルト球団自体は戦力になると見て獲得したのだと思いますが…)
そして今日の試合とは関係ないのだが、山中も心配である。先日の阪神戦で大炎上してしまい、そのまま2軍降格となってしまった。この阪神戦に関しては、緊急登板と言う不運もあったのだが、山中には「こういった場面でもそれなりに投げてもらいたい。」という期待がある。その期待を裏切ってしまったのは確かである。
心配なのは相手打者に気持ち良くスイングさせてしまっているように感じることである。非常に低い場所から投げ込む正真正銘のアンダースローであり、素人目に見ると慣れるまではそれなりに通用するように見えるのだが、プロの世界はそんなに甘い世界ではないようだ。
近年プロの世界で通用したアンダースローの投手と言えば元ロッテの渡辺俊介と西武の牧田和久が挙げられると思うのだが、彼らと山中の違いはどんな部分にあるのだろう。これも素人目にはよく分からないのだが、渡辺も牧田も高低と緩急の使い方が抜群に上手い印象がある。ストレートの威力自体も山中よりもあると思うのだが、そのストレートを高低に投げ分けられるだけの技術を持っている。そしてそこに抜いた変化球を織り交ぜてバッターのタイミングを見事に外していく。渡辺のカーブなんかはブレーキが効いており、非常に印象に残るボールだった記憶がある。牧田は超クイックと呼ばれる素早い投球フォームも駆使しながら打者を幻惑していくという独特の技術も兼ね備えている。変則投手は変則投手らしく、自分なりの武器を磨いていく必要がある。今の山中は自分の武器が何なのか見失ってしまっている気がする。少なくともルーキーイヤーのオープン戦では中々の投球を披露していたはずである。もう一度自分を見つめ直して武器となるものを見つければ再浮上の可能性はあると見ている。
高校時代から状態の強さを感じさせ、メジャーリーガーを彷彿とさせるような物凄いボールを投げ込んでいた新垣と綺麗なアンダーハンドから打者を打ち取っていく技巧に定評があり、実戦派と言う評価を得ていた山中。個人的には2人とも魅力を感じる投手である。(山中に関しては、実際にドラフトでヤクルトに指名してもらいたかった選手でしたし…)
2人とも苦しんだ挙句トレード要員となってしまったのだが、新天地で一花咲かせてほしい。そのためにも首脳陣の力が必要になってくるはずである。
完全に試合から脱線してしまったが、リリーフ陣はやはり江村のボールのキレが少し落ちてしまったのでは?と心配になるが、それでも他の投手は良く粘ったと思う。こういう試合をしていけば今の打線の好調さも相まって勝ちを拾えるゲームも出て来るはずである。
打線の方は7回、9回と満塁のチャンスを作ったのだが、7回は畠山が三振、9回は雄平がショートゴロダブルプレーと結果を残すことが出来なかった。それでも今日も2桁安打である。今日大事な場面で打てなかったからと言って深刻に考えず、杉村コーチの教えでもある自分のスイングを崩さないように明日以降も取り組んで行ってもらいたい。攻撃陣に関しては采配も含めてそんなにケチを付ける場面はない試合だったのではないだろうか?
P.S 昨日の記事で好調の打線についてそろそろ打線の愛称を募集しても良いのではないだろうか?と言うようなことを書いたのだが、ダダさんから打線の愛称募集とかは止めた方が良い気がする。とのコメントを頂いた。よくよく考えるとその通りだと感じた。こういうものは募集するものではなく自然発生的に定着するのが本来の形だと感じた。なので昨日の愛称を募集してみても良いのでは?という文言は撤回したいと思います。
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コメント
こんばんは。
「新垣と山中に未来はあるのか?」うーん・・・どうなんでょうね。未来があってほしいですね。でも、今回のトレードは失敗ではないでしょうか?きっと同じ様な気持ちでいるスワローズファンも少なくないと思います。実は、私は日高と川島のファンです。日高の成長を楽しみにしてたし、川島の守備力と身体能力の高さは戦力になっていたと思います。だから今、とても寂しい気持ちです。大きな補強はしないけど、意味のないトレードもしない。それがスワローズだとなんとなく思ってました。30年以上スワローズを応援していますが、こんな残念な気持ちになった事がありません。新垣と中山が活躍してくれると少しは慰めになるのですが…。
昨日の試合は惜しい内容でしたが打撃陣はここまで打っているのでチャンスでの凡退と残塁の多さは仕方ない部分で責められないですかね。それにしても今年のDeNA戦はこういう試合で負けているのが多いです。
新垣ですがスタイルは変わってないですよね、暴投と死球が多いのは急にはなくならないので良くなる事はないでしょうけど三振は取れる投手だと見ていて感じました。希望とては10勝しても10敗するなら御の字で、たまに手も足も出ないようなピッチングしてくれれば安定感なくてもいいのかなって見ないと観ている方が疲れてしまう昨日の内容でした。
それと江村は何か気になりますよね(ケガ持ちなので)筒香には前回も打たれましたが今回もホームランでした。高津Cが選手起用をしているとは思いますがリベンジ的な起用方が多いですね(カーペンターもエルドレッドに何度も起用してましたし)
それと岩橋(ひじ痛)やカーペンターや古野の2軍での情報が何もないのでケガをしたのか気になりますよね。
> おにさんへ
そうですね。今回のトレードにショックを受けたヤクルトファンの方々も多いかもしれませんね。私もおにさん同様ショックを受けた一人です。
川島と日高は2人とも魅力的な選手でしたからね。
それでも何とか新垣と山中が戦力になってくれるとありがたいのですが…どうでしょうね。
> Kさんへ
DeNA打線は怖いですね。今のヤクルト投手陣では中々抑え込むイメージが出来ません。
個人的には新垣はリリーフで期待したいのですが、本人にその気持ちがないようですし、あのコントロールでは緊迫した場面は難しいかもしれませんね。
2軍の情報までチェックしていないのですが、岩橋、カーペンター、古野心配ですね。
自分のスタイルに拘る、変えられないというのは、ある種天才的な選手に多いと思いますね。
小野寺、一場と同じものを感じますし、野手ですが武内も似ていると思います。
結局は、自分の美学に殉じてしまう印象ですね。
> パインさんへ
新垣に関しては、高校時代から投げるボールは凄まじいものがありましたよね。それでも高校時代からどこか脆さを感じさせる投手と言う印象も変わりませんよね。確か高校時代もエースナンバーを背負っていなかったような記憶があります。
私がイメージするような天才投手とは違うのですが、パインさんの言うとおり天才的な選手ほどスタイルにこだわってしまうというのはあるのかもしれませんね。