ヤクルト2-1巨人
昨シーズンも同じような記事を書いたと思うのだが、ヤクルトにとっては消化試合、巨人にとっては調整試合ということで手放しで誉めるわけにはいかないのだが、ルーキーの杉浦、秋吉が存在感を見せつけてくれた。
先発の杉浦は初回を三者連続三振という最高の形で立ち上がり、2回も先頭の阿部を三振に斬って取って見せた。この杉浦私が想像していた以上に三振が奪えることに驚いている。その後は三振の数が大きく増えたわけではないが、コントロール良く丁寧な投球で巨人打線を抑え込んで行った。
リードをもらった直後の5回に井端に同点弾を浴びてしまったが、自己最長となる7回を被安打5無四球の1失点としっかり試合を作って見せた。プロ入り初登板となったDeNA戦での凄みみたいなものはあまり感じられないのだが、コントロールが安定しており、いわゆる「大けがをしない投球」が出来ている。巨人打線もベストメンバーではないし、調整試合のため今日の結果を鵜呑みにすることもできないが、怪我明けでこれだけ投げてくれれば充分である。これは2年目の小川にも言えることなのだが、ストレートも変化球もコントロールがしっかりしていることが大きい。また右バッターでも左バッターでもインコース、アウトコースにしっかり投げ分け、打者を打ち取るパターンを多く持っているのは大きな武器となりそうである。入団時には東都で孤軍奮闘していた様子やその柔らかい肘の使い方が、「岡林を彷彿とさせる。」というようなことを書いたと思うのだが、今のピッチングを見ていると完成形は現シアトル・マリナーズの岩隈かな?と思っている。
終盤にボールの勢いが落ちるなど課題はあるが、来シーズンに期待したくなるような投球を見せてくれた。前回の登板と今回の登板の2勝を大きな自信に変えてもらいたい。
そして終盤に圧巻の投球を見せてくれたのはこれまたルーキーの秋吉だった。8回に登板した山本哲が雄平のエラーから招いた1アウト1,2塁のピンチで登板となった。正直消化試合とはいえ、この采配には「?」だったのだが、秋吉が首脳陣の期待に見事に応えてみせた。このピンチは橋本を三振ゲッツーで切り抜けると、9回は寺内、鬼屋敷、村田をストレートとスライダーで圧倒し、4者連続三振で試合を締めてみせた。右バッターには得意のストレートとスライダーの2つの球種だけでもしっかり抑え込むことが出来ている。
来シーズンは左バッター対策と勤続疲労による球威の低下が課題になって来るかと思われる。この辺の課題をクリアするためにも細かいコントロールに磨きをかけてもらいたい。無駄なボール球が減ってくればクローザー候補にも名前が挙がってきそうである。バテてきてもおかしくない8月、9月にしっかり成績を残せた部分は高く評価できるのではないだろうか?
打線は巨人の1.5軍級の投手陣に抑え込まれてしまったが、谷内がしぶとく先制タイムリーを放ったり、6回には代走上田の盗塁から飯原の犠牲フライという機動力を使った攻撃で決勝点を奪うことに成功した。やはり上田にはこういったプレーが期待されている。今シーズンは打撃不振に陥り、試合数も伸びなかったし、打率も低調に終わってしまったのだが、その中で盗塁数は16を数えている。来シーズンこそはレギュラー座を奪い、その俊足を大いに活用してもらいたいのだが…どうなるだろうか?後は本人の努力次第だろうか?
P.S 杉浦ー西田の北海道出身バッテリーは素晴らしかったですね。西田はバッティングでも結果を残し、中村、相川に続く捕手の座を確保したと言って良さそうですね。捕手という特殊なポジションのため、レギュラー奪取のチャンスは限られてくるが中村との争いは面白くなりそうですね。
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