2014ヤクルトのドラフト(2)

先日は「2014ヤクルトのドラフト(1)」の記事を書いたのだが、徐々に報道などで選手名なども挙がってきているため今日は第2弾の記事を書きたいと思う。

前回の記事では、私が考える今年の補強ポイントとして、①5~6年後を担える主軸候補②即戦力中継ぎサウスポー③内野守備名人の3つを上げたのだが、その考えは今でも変わっていない。
もっと具体的に書くと「岡本(智弁学園)+即戦力リリーフ投手複数」が獲得できればOKかなと考えている。

しかしこれまで具体的にヤクルトのドラフト1位候補として名前が挙がった選手は有原(早大)、安楽(済美)、松本(盛岡大付)という投手であり、岡本は外れ1位で残っていれば…というニュアンスでの報道になっている。名前の挙がっている投手は皆素晴らしい投手だし、現在最も補強しなければならないのは投手なので仕方ない部分もあるのかもしれないが、それでも私は、岡本を推す。

ヤクルトはここ何年も野手の助っ人外国人に恵まれていたため、日本人の長距離砲をドラフトで獲得しなくても何とか戦えていた。しかし昨年の記事にも書いたように長距離砲として獲得し、戦力になった選手は直近でも96年の岩村、2000年の畠山くらいである。これは少なすぎる。どこかで将来のスターとなるような長距離砲の獲得に動く必要はあると思う。私の中では、T-岡田、中田翔、筒香嘉智、大田泰示、高橋周平、大谷翔平辺りが近年獲得に向かって欲しかった長距離砲の選手なのだが、ヤクルトはこの中で入札した選手は高橋のみである。大田、大谷は入札しても獲得できる可能性は皆無に等しかったのかもしれないが、もう少し積極的に狙ってみても良かった選手達だと感じている。
今年の岡本に関しては、上記の選手達に比べると守備、走塁に弱点があるなど完成度では少し劣るかな?という印象がある。バッティング技術でも上記の選手達に比べると弱点が多いのかな?と感じている。しかし飛ばす才能は上記のメンバーと比べても遜色ないし、打席で狙い球を絞ったり、甘いボールを確実に仕留める技術は以外に高いものを持っていると感じさせてくれる選手でもある。プロの投手のボールに慣れるまでにまだまだ時間はかかりそうだが、ここら辺で長距離砲の獲得は考えた方が良いと思う。昨年に引き続き「不作」と呼ばれているドラフトだけに各球団の駆け引きも重要になってくる。ヤクルトは事前報道の通りに指名することが多いのだが、今年は有原、安楽をカムフラージュで使い、当日は岡本を指名するという大胆な作戦なのでは?と期待してみている。(おそらく有原か安楽指名だとは感じていますが…)

ちなみに有原、安楽に関しては、確かに今年のドラフト候補の中では抜けた存在だと思うし、投手が壊滅状態のヤクルトには必要だと感じる方も多いかもしれないが、個人的には「?」である。おそらく2人とも来シーズンのチームを劇的に変えられるような即戦力投手ではないと感じている。
有原は、がっちりした体格からMAX156キロを記録したこともあるストレートと決め球に使えるスライダー、チェンジアップを合わせ持ち、潜在能力という意味では今年のルーキー大瀬良を凌ぐだけのものを持っていると思う。しかし安定感に欠ける部分もあり、右肘の故障でこの秋のシーズンほとんど投げれていない所も気になる。もしヤクルトが1年目からクローザーとして期待しているようなら獲得に動いても面白いと思うが、故障持ちの有力選手をいきなりリリーフで起用することは考え辛い。個人的にはヤクルトの1位指名には向かない選手だと感じている。

安楽も持っている能力は有原同様、プロでスターになれるだけのものは持ち合わせていると思う。1年の秋に時点で150キロを超えるストレートを投げ込んでおり、私の中では1年時の甲子園で148キロを投げ込んだ伊藤拓郎(元DeNA)と印象が被っていたのだが、実際に映像で見た安楽は伊藤とは違い、身体の柔らかさを感じさせるフォームからキレのあるストレートと変化球を投げ込んでいた。素晴らしい才能の持ち主だと感じた。しかし下級生時からの登板過多もあってか右肘の故障を発症させてしまった。それ以降の投球はおそらく本来の投球から程遠いような投球になってしまっていることが予想できる。正直今ドラフトで最も魅力的に感じるのはこの安楽なのだが、ここ数年投手に故障が相次ぎ、ドラ1四兄弟と呼ばれた投手たちも故障や伸び悩みという状況では…
ちょっと厳しいことを言うようだが今のヤクルトに球界の宝となる可能性はあるものの右肘に故障歴を持っている投手を獲得する資格はないと思っている。もしヤクルト入団となってもチームにとっても安楽にとってもプラスになる部分は他球団に比べて少ないのではないだろうか?私の中では安楽指名はあり得ない。

私の中では岡本を獲得し、2位で即戦力リリーフ投手の獲得に向かってもらいたい気持ちが強い。いわゆる「13番目の男」を獲得できる権利を上手く使ってもらいたい。それでも今回のドラフトは1位で目ぼしい投手は消えてしまう可能性もあるが、正直まだまだ読めない部分がある。私が挙げたサウスポーという括りで行けば前回の記事でも挙げた浜田(九産大)、横山(新日鐵住金鹿島)、加藤(新日鐵住金かずさマジック)辺りが個人的にはオススメである。(加藤に関しては、今年はプロ入りしないという情報もありますね。)
その他で最近よく聞く名前は竹下(ヤマハ)、戸根(日大)、佐野(平成国際大)辺りだろうか?ここら辺の投手に関しては、スカウトの眼力と当日のドラフトの流れによって獲得する選手が変わってきそうである。個人的には浜田、横山、加藤よりは少し劣るかな?という印象を持っているのだが、ネットの映像をパッと見た感じでは竹下は若い頃の高橋建(元広島)、戸根はがっちりした体格とスリークォーター気味のフォームがイ・ヘチョン(元ヤクルト)、佐野が大学の先輩山崎敏(元西武)辺りと被ってくるのかな?という勝手な印象がある。この中では年齢は24歳ということだが竹下にリリーフ適正を感じる。

左に拘らなければ高校時代から長身の割にコントロールが安定していた野村(三菱日立パワーシステム横浜)、パワー型サイドハンド石崎(新日鐵住金鹿島)辺りも候補に含まれてくるだろうか?

1位で獲得する選手によってその後の獲得選手も変化してきそうである。まだドラフトまでは9日あるのでもう数回ドラフト絡みの記事を書けたらと思っている。

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コメント

  1. より:

    ドラフトの時期が来週に迫ってきましたね。
    ヤクルト球団は投手中心との事ですが野手も年齢が上がってきているので高校生野手を狙ってもいいと思いますよね、両外国人も畠山や雄平も30才を超えてますし若い野手で伸びそうな選手も今のところいないですから、こちらのブログでも推している智弁の岡本は一本釣り出来る可能性があるので有りかなと思います。
    投手もドラフト1位で毎年のように取っていても結果が出てないですし最近のドラフト1位の投手を抽選で外しまくっているので裏をかいて高校生野手を狙って欲しいです、上手くいけば1位2位で岡本・浅間など有力選手をかっさらう事も出来るかもしれないので周りが驚く思い切ったドラフト会議にしてもらいです。

    ちなみ私は1位浅間・2位脇本が希望です。(これで外野は10年安泰だと勝手に思ってます(笑))

  2. かんかん より:

    私はドラフト1位には山崎康か野村を推します。
    今年は即戦力投手が課題と思っているので安楽や岡本は欲しいですが、指名はないと思います。
    また2位には竹下か加藤貴のような左腕を指名
    3〜4位で島袋、田中、守屋、福島あたりの大社投手
    下位で岡本の変わりにはなりませんが、大砲候補の幸山
    遊撃の植田、宗
    将来のローテ候補として鈴木優
    こんな感じのドラフトになると面白いと思います!

    他には守備型の外野が指名対象になると考えていますが誰かいますかね?

  3. FIYS より:

    > Kさんへ

    岡本、浅間の両獲りは個人的には「あり。」なのですが、3位指名が36番目の選手になってしまうことを考えると有力な投手が獲れなくなってしまうため可能性は極めて低いでしょうね。(浅間が3位まで残っていれば狙ってみても良いかと思いますが…)

  4. FIYS より:

    > かんかんさんへ

    非常にリアリティのある指名予想ですね。山崎康は、1位候補の投手の中で最もリリーフ適正が高そうなので狙っても面白いかもしれませんね。野村は個人的に好きな投手です。昨年で言うと柿田や加治屋のように即戦力というよりは数年後に期待できる投手という印象がありますが、投手としての完成度なら野村の方が上かもしれませんね。

    2位でサウスポー投手、中位で大社の投手、下位で高校生の指名というのはあり得そうですね。

  5. trefoglinefan より:

     唯一期待できるのが山川くらいで、実力の割には栗原と清水の陰に隠れてしまっていたようです。竹下に誤算はあったものの、ここのでスカウトの節穴ぶりのドラフトも珍しかったと思います。
     幸山はどうしてソフトバンク育成だったのでしょうか。原の方を選んだのでしょうが。

  6. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    ドラフトの成功、失敗を語れるのは10年後と言うことをよく言いますが、昨年のヤクルトのドラフトは即戦力投手を意識して獲得した中でその選手達が全く即戦力として働けていない現状があるので「失敗」という言葉を使ってしまっても良いのかもしれませんね。
    原にはまだまだ期待していますよ。

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