昨日に引き続き第88回箱根駅伝の振り返りを簡単にして見たい。
総合優勝 東洋大学ー往路に引き続き全員が100%の力を発揮し、10時間51分36秒というとてつもない新記録を叩きだした。往路で他のチームを大きく引き離しているのに攻めの走りを貫いたレースプランは見事だった。6,7,8,10区で区間賞を獲得。7区設楽悠太は、佐藤悠基(東海大)が持つ区間記録を更新し、8区大津は、長らく破られていない古田哲弘(山学大)の区間記録に肉薄した。いずれも想像以上の走りだった。2位と大差がついたが、個人的には飽きることもなく観戦することが出来た。歴史に残るチームだろう。
2位 駒澤大学ー復路の戦力は№1だと思っていたが、東洋大に圧倒され、9区窪田の区間賞以外は東洋のタイムを上回ることが出来なかった。駅伝は流れが重要なスポーツだということを改めて思い知った。それでも各ランナー、ブレーキなく走り切ったのは、流石駒澤大学という感じだった。
3位 明治大学ー往路からの流れを上手く引き継ぎ、戦前に3強と言われていた一角の早稲田より先着し、3位に入った。1,2年生の好走が目立ち、来期以降も期待ができる。注目されていた鎧坂は、何と10区に登場し、順位を1つ押し上げ、最低限の仕事は果たした。
4位 早稲田大学ー自信があると言っていた山下りの6区が良くなかったが、それ以外の区間は無難に走り切った。佐々木、志方、前田の好走は、数年前までの早稲田の低迷期にはなかった層の厚さと粘り強さを感じた。
5位 青山学院大学ー青学の5位は想像以上の結果だ。復路も6区竹内が好スタートを切り、その後のランナーも区間上位から中位で繋いだ。素晴らしいチームワークだった。戦力も集まってきているようなので上位の常連となって行きそうである。
6位 城西大学ー山登りに続いて山下りの6区も平田選手が好走した。その後の区間は苦戦したが、しっかりシードを獲得した。予選会では下位だったのだが、元々潜在能力は高いチームであることを証明した。
7位 順天堂大学ー復路の順大が戻ってきた。特に9区松村優樹、10区小澤の下級生が素晴らしい走りをしてくれた。今後が楽しみである。
8位 中央大学ー28年連続でシード権を獲得した。6区代田、10区塩谷の力走が目立った。5区候補をしっかり準備しなければ今後も苦戦が続くだろう。
9位 山梨学院大学ー復路は6,7区がブレーキ気味だったが、8,9,10区が粘りシード権を獲得した。来季は主力の4年生が抜けてしまい苦しい戦いが予想されるので今回のシード権獲得は大きい。
10位 国学院大学ー戦力的にシードは厳しいかと思ったが、往路の貯金を活かし、2年連続でシード権を獲得した。戦力的には他のチームに見劣りするが長い距離をしっかり走れる選手を育成しているようだ。
その他 シードを逃したチームの中では、東海大、拓殖大、上武大、関東学連選抜の低迷が意外だった。東海、拓殖は大砲となるべき選手が機能しなかったのが痛かった。上武大は最後まで流れに乗れなかった。関東学連選抜は、武器となるはずの復路で大きく崩れてしまった。
東洋大学の優勝は見事の一言に尽きる。柏原の卒業により、箱根駅伝は次回から新たなステージに突入すると思われるが、来年も優勝候補に名を連ねてくることだろう。駒澤、明治、早稲田、青山学院も充分優勝を目指せる戦力が整うだろう。
箱根駅伝が盛り上がるのに比例して日本の長距離走のレベルが上がれば良いのだが、現実には停滞している。この現実を打ち破る選手の登場を待ちたい。
それでも私は1年に1回のこの大会が大好きである。
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