キャンプ前の戦力分析ということで今日は投手陣に触れてみたい。昨年の記事はこちらから→「ヤクルトの投手陣についても考えてみよう」
先発 小川、石川、成瀬、八木、杉浦、石山、徳山、村中、古野、七條、木谷、松岡、ロマン、由規、風張、児山、土肥
リリーフ 秋吉、バーネット、山本哲、オンドルセク、中澤、竹下、江村、久古、中元、岩橋、寺田、ロマン、石山、徳山、古野、七條、松岡、風張
昨年も書いたのだが、キャンプ前ということで名前はいくらでも挙げられる。ここからが競争である。ここ数年ヤクルトは怪我人が多いため現時点での予想も難しいのだが、個人的な見解を述べていきたいと思う。
まずは先発から。小川、石川、成瀬の3人に関しては、余程のアクシデントがない限り先発ローテーションに入ってくるだろう。この3枚がシーズン通してローテを守れるようだと相当心強い。
小川は昨シーズンは打球を右手甲に当ててしまい長期離脱してしまったが、それでも9勝をあげてみせた。投手としての総合力はチーム№1だろう。身体の状態が万全であればヤクルトのエースからセ・リーグを代表するエースへとステップアップしてもらいたいシーズンである。
石川は、35歳となるシーズンであり、年齢的な衰えが気になる所だが、ボールのキレ自体はそんなに衰えているような気がしない。イニングによって細かい制球が乱れてしまい崩れることがあったが先発として5~6イニングしっかり投げる力は十分にあると思っている。周りの投手陣のサポートがあれば今シーズンも2桁勝利を狙えると見ている。
成瀬に関しても個人的には大きな期待を寄せている。以前にも書いたのだが、この成瀬の場合はストレートが本来のものに戻れば相当やってくれると信じている。昨シーズンは波はあったものの試合によっては復調の兆しを見せていたと思う。リーグが変わったことによるアドバンテージもあると思うので石川同様2桁勝利を期待したい。
上記の3人以外のもう3~4人の枠を多くの投手で奪い合うことになるだろう。
実績を加味するとまずは八木の名前が挙がるだろうか?昨シーズンはチーム事情からリリーフで開幕を迎えることとなったが、本来は先発に適性のある投手だと思う。投げるボールの質は素晴らしい。今シーズンはステップアップのシーズンにしてもらいたい。
個人的には杉浦と石山の投手としてのポテンシャルの高さにも注目している。杉浦は身体の状態が戻っていれば今シーズンはかなりやってくれると信じている。ストレートも変化球も一級品であり、1軍で活躍できるだけのコントロールも持ち合わせている。大ブレイクに期待したい。
石山はまだまだ伸びしろのある投手だと思う。特に変化球でカウントが稼げるようになれば先発としても実績を残せると感じている。しかしまだまだ荒削りであり、いわゆる勝てるタイプの投手ではない。キャンプ、オープン戦で結果を残す必要があるだろう。
その他の中字組では徳山、村中、古野の名前を挙げてみた。徳山は昨シーズンストレートの威力が増し、プロ入り初勝利も挙げてみせた。これと言って特徴を感じないのだが、打者がタイミングを取りづらそうにする場面を目にするだけに球の出所が見づらいタイプの投手なのかもしれない。今シーズンは勝負の年である。古野も勝負の年である。4年目のアラサ―投手ということで正念場である。村中は徳山、古野とはちょっと事情が違う。本来であればヤクルトのエースになっていなくてはならない投手である。しかしここ2年全く自分の投球が出来ていない。今シーズンは10年目を迎えるシーズンということで崖っぷちである。プロに入ってからその潜在能力の片鱗を見せたのは本当にわずかの時間である。非常に残念なことである。個人的な期待値も正直相当下がっているがそれでも今シーズンは何とか結果を残してもらいたい。
小字にした投手も先発ローテに入るチャンスは充分にある。やはり気になるのは復活を期す由規である。慌てずに無理せずにではあるが、1軍のマウンドに帰ってくることを楽しみに待ちたいと思う。しかしまだ先発ローテの頭数に入れることは危険かな?と感じるのも事実である。
その他の投手では、高卒2年目ながら1軍キャンプに抜擢された児山やルーキーの風張、土肥辺りはどんな投球をするのか楽しみである。
個人的な理想としては、①小川②石川③成瀬④八木⑤杉浦⑥石山or徳山or村中or古野として見たいと思う。
続いてリリーフ陣である。リリーフ陣に関しては、やはり先発陣以上に不確定要素が多く不安が付きまとう。逆に言えばリリーフ陣が安定するようなら相当良い戦いが出来ると思うのだが…
まず開幕時点で最もベンチ入りする可能性が高いのは昨シーズン結果を残した秋吉と思われる。しかし秋吉に関しては、昨シーズンくらいの成績(61試合3勝4敗5S19HP防御率2.28)が残せたら万々歳くらいに考えておいた方が良いと思う。ルーキーイヤーは変則フォームのアドバンテージもあり、実力以上の結果を残したと言える部分もあるように感じる。今シーズンに関しては、他球団から研究されたり、昨シーズンの勤続疲労も気になる所である。被本塁打も意外に多いため、僅差のゲームで信頼を置いて起用できるかと言われると「?」が付くのも事実ではないだろうか?それでも7回、8回辺りの1イニングを任せたい投手である。
バーネット、山本哲に関してもどちらかというと不安要素の方が大きい。バーネットは投げるボール自体は素晴らしいのだが、ランナーを出してからの投球に不安が残り、精神面の脆さもリリーフ投手としては大きな欠点である。いわゆる低反発球時代であればボールの威力で抑え込むことが出来たが、今はそうはいかない。ランナーを出したときにどれだけ粘れるかに注目したいと思う。山本哲も勤続疲労が気になる所である。3年連続50試合以上登板しているのだが、成績は下降してきている。目一杯投げてもボールが走らない状態なのではないだろうか?それでも経験を武器に新たな山本哲像を作り上げていってほしい。
新戦力では剛腕タイプのオンドルセク、竹下に期待したい。2人とも機能するようなら非常に大きな武器となる。オンドルセクに関しては、とにかくフィジカル面の不安だけである。203センチの長身から150キロを超えるストレートを投げ込み、フォーク、カーブも映像を見る限り中々良い物を持っていると思う。クローザーとしてハマってくれればありがたいのだが…どうなるだろうか?
竹下もキャンプ、オープン戦で要注目の選手である。パワフルなサウスポーだが、正直見てみなければ何とも言えないというところだろう。空振りを奪えるボールがあれば即戦力になると思うのだが…個人的には昨シーズンの秋吉のような期待値ではないというのが本音である。
昨シーズンリリーフで実績を残した中澤も気になる存在である。まさかリリーフとしてこれだけ数字を残すとは思ってもいなかったため驚いたのだが、まだまだ厳しい場面での登板も少なく信頼を置けるところまでは至っていない。しかしただでさえリリーフにサウスポーが少ないチーム事情もあるため、何とか自分の居場所を確保してもらいたい投手である。
小字の投手は誰が投げても似たり寄ったりの成績になってしまうかな?という印象だが、江村、久古、中元、岩橋の中の1人は何とか出てきてほしいと思う。1イニングが投げ切れなくても左殺しとして出てきてもらえればそれだけで大きな戦力である。
できれば秋吉ーバーネットーオンドルセクという3枚を基本に、そこに実績十分の山本哲、サウスポーの竹下、中澤辺りが絡んでくる面子になれば面白いかな?と感じている。
しかしこう見るとやはりリリーフ陣は相当不確定要素が多いことが浮かび上がってくる。気になるのはやはりオンドルセクである。絶対的なリリーフエースが1人誕生するだけでもチーム状態は変わるはずである。そういった期待を掛けられる投手はオンドルセクしかいないのではないだろうか?(助っ人外国人は箸にも棒にもかからない危険性もあるが…)
リリーフが安定すれば先発投手も前半から飛ばして投げることが出来るし、首脳陣も継投が楽になるのではないだろうか?
先発陣は成瀬の加入もあり、昨シーズンの今頃よりも個人的な期待値は上である。昨シーズンは壊滅状態だった投手陣。今シーズンはどうなるだろうか?
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コメント
去年の中澤はまぐれでは無かったと期待してます。
去年は調子が良かったのもありますがリリーフ陣では一番気迫を感じさせるピッチングでした。先発よりもむしろプレッシャーのかかるリリーフの方が向いていたのかなと思います。
あとはどうしても怪我人や不調は出てしまうものなので、小字の投手にも最低限の仕事を果たしてもらいたい所。高津コーチもプロ入り後にシンカーを覚えたように新しい球種に挑戦してほしい。
投手陣は先発に掛かっていると思ってます(先発が崩れればリリーフにシワ寄せがくると一年は持たないので)、小川・石川・成瀬はケガがなければ1年間ローテーションを守れますが貯金が出来るかと言うと微妙です、杉浦・八木がまだ底を見せてないなので期待してます。特に杉浦の与四死球が少ないのは大化けする可能性あるので彼の活躍次第かなと思ってます。(あと由規が中10日位で投げてくれるとチームの士気も上がりそうなのでキープレイヤーかなと思ってます)
リリーフ陣は新加入のオンドルセクと竹下が重要で未知の戦力が数字を残してくれれば上位進出は可能かと思います。
> saboさんへ
中澤は個人的にはまだまだ信頼が置けません。それでも昨シーズンの活躍がまぐれでないことを願いたいです。
とにかく1人でも使えるピッチャーが出てきてほしいですね。伸び悩んでいる中堅どころの投手は思い切って何かを変える必要があるかもしれませんね。
> kさんへ
小川、石川、成瀬は怪我がなければ計算できますかね?八木と杉浦はkさんの仰る通りまだ底を見せていないので逆に期待したくなりますよね。
リリーフ陣もオンドルセク、竹下辺りが結果を残すようだと楽しみになりますね。