真中監督の気になる発言。

昨日読んだ「Sportiva」の記事の中で真中監督の気になる発言がいくつかあったため、取り上げてみたい。

① 先発投手について
 「今年のローテーションは、現段階でもう5人は決まっています。小川泰弘、成瀬善久、石川雅規の三本柱に、3年目の石山泰雅と2年目の杉浦稔大。特に、石山と杉浦の若いふたりは、昨年、経験を積むことができました。彼らが自信を持ってシーズンを戦ってくれれば、いい結果がついてくると思います。」

② リリーフ投手について
 「7回までは秋吉亮、山本哲哉を予定していて、他に昨年の後半から中継ぎで頑張っている左の中澤雅人。正直言えば、左があと1枚欲しいところです。新人の竹下真吾か児山祐斗が出てきてくれればありがたい。」

③ 打順について
 「僕の考えとして、1番打者が出塁したとしても、2番打者は基本、フリーに打たせたいんです。そこで2番が足の遅い打者だと併殺を気にしてしまう。そう考えると、川端は理想の2番なんですよ。どの方向にも打てるし、ボールに当てるのもうまいし、足があるから併殺の心配も少ない。とにかく、初回から送りバントをして、相手にアウトをひとつ与えることはしたくないんです。そして3番はバレンティンですからね。バレンティンの場合、ランナーが二塁だろうが、一塁だろうが大差ない(笑)」

上記の①~③は「Sportiva」の記事から引用しているのだが、真中監督のコメントの中で気になる言葉がいくつかあった。
まず①については、先発ローテーションについて語っているのだが、「すでに5人は確定している。」という言葉があり、そのメンバーも小川、成瀬、石川、杉浦、石山と具体的に挙げている。これには、少々驚いた。私は以前「2015年の投手陣は?」という記事を書き、先発候補についても触れているのだが、基本的には小川、成瀬、石川の3枚は確定でその他の3枠を多くのメンバーで奪い合うものだと思っていた。このキャンプ、オープン戦の結果を見ると杉浦の確定も分かるのだが、その他に石山の名前が挙がっていることに驚いた。私は、先発としての実績を加味すると八木の方が少し上にいるのかと考えていたのだが、真中監督はじめ首脳陣は先発としての石山を非常に高く評価しているようだ。石山自体は、キャンプで別メニューになる期間もあり、決して順調に調整できているという訳ではないと思うし、まだ実戦での登板もないのだが、それでもここで名前が挙がってくるとは…期待したくなる部分もあるのだが、昨年の早い段階で小川監督が西浦に対して開幕スタメンを確約した状態と被って見えてくる部分もあり、少しひっかかっている。

②については、中澤以外のリリーフ候補で竹下と児山の名前が挙がっていることが引っかかった。竹下に関しては、異論はないのだが、高卒2年目の児山の名前がリリーフ候補として出てきている事に関しては、現段階では賛成できない。児山は高校時代から身体全体を使った投球フォームに特徴があり、個人的には先発でじっくり育ててほしいと考えていた投手である。今シーズンに関しては、1軍に上がれなかったとしても2軍で先発投手としての英才教育を施してほしいと考えていたのだが…真中監督を始めとする首脳陣の考え方は違うようだ。良く言えば現在のチーム状況を見た中でリリーフで結果を残せそうな投手を積極的に起用していく。という「実力主義」の形をとったとも言えるのかもしれないが、同じように先発投手としての潜在能力があったと思われる日高亮を1シーズンリリーフでフル回転させた挙句あっという間にトレード要員にしてしまった悪夢が蘇る。
ヤクルトはここ数年「即戦力投手かき集めドラフト」を展開しており、児山はその中でも貴重な高卒投手である。下位指名ではあるが先発として大きく育てるものだと思っていた。まさか高卒2年目のこの時期に左のリリーフ候補として名前が挙がって来るとは思っても見なかった。確かにここ数試合の児山の投球を見ていると明らかに短いイニングの登板を意識して力を込めた投球をしていることが伺えただけに、すでに首脳陣から「リリーフとして準備してくれ。」と言ったような指示が出ているのかもしれない。
児山のリリーフ起用が「吉と出るか凶と出るか」状況を見守っていきたいと思う。

③の発言については、個人的には肯定的に捉えている。特に「2番打者は基本フリーに打たせたい。」という部分である。以前の記事の中で私は、2番川端には反対という主旨のことを書いたのだが、それは昨シーズン何試合か2番に座った川端を見て送りバントを命じられたり、川端自身がチームバッティングというものを意識しすぎて本来のバッティングを見失っているように感じたからである。しかし今回の真中監督の発言を見ると「あくまでも攻撃的な2番打者という意味合いでフリーに打たせる。」という意図がはっきり伝わってきた。こうした意図がはっきりしている中での1番山田2番川端3番バレンティンという並びであるならば非常に面白い打線になりそうだと感じた。こじんまりと1点を獲りに行く野球よりもビッグイニングを狙って攻撃的に行く方が今のヤクルトには合っていると思う。スタメンで起用された選手達が自分が何故その打順に置かれているのか?何を求められているのか?ということをしっかり理解した中でプレーできれば昨シーズン以上に得点力が上がる可能性もあると思う。

ということで今日は真中監督の気になる発言に対して個人的な意見をぶつけてみました。「Sportiva」の全文を紹介した訳ではないので、真中監督の思いと私が切り取った部分とにギャップがある可能性もありますが、中々読み応えのある記事だったので興味のある方は是非「Sportiva」を読んでみて下さい。

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コメント

  1. 匿名 より:

    俺も元記事読んだ時、石山ローテ確定と同じ所が引っ掛かりました
    確定なの?
    今年はそこそこ先発が充実してるので石山にはリリーフに回ってほしかったんですがね
    投手に打撃まで求めないけどバントすらできないのは先発として痛いですし…
    とはいえ役割を固定してやるのは賛成ですよ
    チーム事情でコロコロ変えるのはかわいそうですからね

  2. 匿名 より:

    そういえば日高の見返りで獲得した新垣がG岡本にホームラン打たれたようで…本当にトホホです。

  3. sabo より:

    記事読みました、面白いです!
    先発完投型よりリリーフ先行投入を念頭にした高津コーチもそうですが
    真中監督も攻撃的2番打者という現代野球思想導入に挑戦するようですね。
    まあ去年開幕から2番雄平3番バレンティンに挑戦していたのでヤクルト全体が現代野球へ脱皮を目指しているというのを感じます

    あと攻撃的2番打者や「選手の自主性」という言葉から古田監督時代を思い出します。古田イズムというわけではないですが、黄金時代の選手たちに共通した思いとして現代野球というキーワードがあるのではないか思ったりします

  4. パイン より:

    別ネタですが、村中の状態がいいという話もありましたよ。

    あとはセットアッパーとしてのバーネットへの期待も大きいとか。
    竹下は軽症のようですから出てくるでしょう。
    児山はオープン戦に帯同していくようですが。

    真中は土橋や宮本と1、2番を組んでました。
    今のチームにそれほどの業師はいませんから、打線の繋がりを考えれば、
    バレンティンを3番に置いてプレッシャーを掛けたいですよ。
    川端がハマれば強力な打線になりますね。

    ただ来日が遅いバレンには、仕上がりの不安があります。
    ミレッジが3番になるかも知れませんね。

  5. FIYS より:

    > -さんへ

    私は昨年の投球から石山の先発適性は高いと思っていますが、確定を与えるのはやはり早い気がしますね。そして打撃面の不安は確かに大きいです。

    上手く役割が固定できれば良いですよね。

  6. FIYS より:

    > -さんへ

    あのトレードはショックが大きかったです。新垣に関しては、本人も投げ方が分からなくなっている状態でしょうかね?
    岡本はやはり将来は日本を代表するような長距離砲に育つかもしれませんね。

  7. FIYS より:

    > saboさんへ

    小川監督は攻撃的2番打者の使い方が上手くありませんでしたが、真中監督はどうでしょうね。コメントを聞いてる限りは期待できそうかな?と感じていますが…
    「自主性」、「現代野球」という言葉は今年のヤクルトのキーワードになりそうですね。

  8. FIYS より:

    > パインさんへ

    村中には今まで毎年のように期待をかけてきましたが、裏切られ続けているような気がしてしまうので、そっと見守りたい気分です。それでも村中好調という情報は朗報です。

    打線はバレンティン、ミレッジの状態によって迫力がだいぶ違ってきますよね。

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